朝、俺は携帯の時計のベルで起きた。
7時。
カーテンの間から射し込む光が、部屋の中を薄暗く照らしていた。
海豚は寝ていたが、俺が起こした後に聞くと、既に30分前には一度起きていたそうだ。
ほうれんそうは光合成が出来ないためか、青菜に塩をかけた様である。
カーテンを開け、部屋を明るくした。
ほうれんそうの顔を見る。
おべべ「ふっ、面白い顔だ」
そういう俺だが、それは「よいの戯れ」の跡である。
朝食、京都に来て初めて京都っぽい物を食べた。
それは、ごく普通のホテルに出そうな和食に、湯豆腐、煮豆など三つの豆などが並べられていた。
特に京都だからというわけではないが、美味しい。
食後、湯がかれるのが嫌いなほうれんそう以外はひとっ風呂浴び、それぞれ支度して、「ホテルらんざん」を後にした。
(お世話になりました)
さて、一行は世界文化遺産、二条城を目指し、バスに乗り込んだ。
東大手門(入城料:500円)
流石は一角の城の門であるな、と俺は思った。
一瞬、昔の風景が重なる。
なるほど、この門に迎えられた勇将一行は、さぞ様になったことだろう。
数々の部屋が連なる「二の丸御殿」へと入る。
狩野派の絵師、「狩野探幽」作を始めとした障壁画がまず印象に残った。
それから、歩くたびにキュッと小気味よく鳴る廊下。「うぐいす張り」と言う手法で作ったそうだ。
よく考えるものだと思う。
中も進みやすく、各間の前に設置されたボタンを押すとガイダンスも流れる。
かなりの好印象だった。
見晴らしの良い天守閣跡から望む風景。
天気が曇りであったのが残念であった。
写っているのは、二条城の本丸。
天気が悪く、光合成の出来ないほうれんそうは、今もぐったりしているままである。(最後まで引っ張るオチ)